論文おぼえがき
Variant between CPT1B and CHKB associated with susceptibility to narcolepsy
Nature Genetics 2008年
ナルコレプシー疾患関連遺伝子の日本におけるGWAS
ナルコレプシーはもともと遺伝性の関与が示されており、HLA-DRB1*1501-HLA-DQB1*0602 haplotypeが関連しているといわれていた、しかしこれのみで発症に至るわけではない(日本人の10%がもっているので)。これ以外を探すことが研究の目的。
この論文のGWASでもやはりHLA領域に強い関連がみられたが、この部分は除いて、thresholds as estimated using the false-positive report probability (FPRP) criterionに入った30SNPsを取り上げた。
replication studyでこのtop 30 SNPsのみgenotypeしたところ、rs5770917がボンフェロニ補正したp値をクリアした。周辺のnonsynonymous SNPs、tagging SNPsをさらにgenotypeしたところ、CPT1BとCHKBを含む15kbのLDブロック内に、rs5770917のほかにrs2269381、rs5770911、rs2269382がstrong LD(r2>0.85、replicationでr2>0.93)を示した。リスクハプロタイプはrs5770917のC(マイナーアリル)にタグされていた。
韓国でも似たようなallele frequencyで、しかもナルコレプシーとの関連も同様であった。ヨーロッパとアフリカンアメリカンではリスクアレル頻度はもっと低かった。
rs5770911はCPT1Bのイントロン11に位置し、rs2269381とrs2269382はCHKBのイントロン3と5に位置する。RT-PCRを用いて遺伝子発現の解析を行ったところ、健康日本人(rs5770917 TT)とTCにおいて、TCの方がVPT1BもCHKBもmRNA発現量が少なかった。
CPT1Bは長鎖脂肪acyl-CoAsの運搬に関与(カルニチンシャトル、細胞質からミトコンドリアへ)、睡眠制御への関与を示唆する既報もあり。
内臓脂肪マウス(カルニチン欠乏)はREM睡眠mlocomotor activityの低下を示した。
post hoc... 事後の